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これらの記事は、IT・AI導入前の業務整理、ローカルAI活用のPoC設計、社内担当者の内製化支援などを検討する際の参考情報として掲載しています。

ローカルAIでBGMを生成したあと、何を確認すべきか:ACE-Stepで検証

ローカル生成AIの成果物を実際の動画に使う前に

教育・研修・説明動画向けのBGMを、ローカルAI音楽生成ツール「ACE-Step 1.5」で生成しました。検証環境は、NVIDIA GeForce RTX 5070 Tiを搭載したWindows 11 PC上のWSL2(Ubuntu 24.04.3 LTS)です。

本記事では、30秒のBGMを生成した後、何を数値で確認し、何を人が判断するのかを整理します。

ACE-StepでローカルBGMを生成してみる

ACE-Stepは、クラウドサービスを使わずに手元のPCで音楽を生成できるツールです。公式READMEでは、10秒から10分までの音声生成に対応すると説明されています。ボーカル音源からBGMを生成するVocal2BGMなど、音源を編集・加工する機能も用意されています。

公式リポジトリには、日本語のインストールガイドやチュートリアルも用意されています。

BGMの生成に使用した環境は、次のとおりです。

項目 内容
ホストOS Windows 11
Linux実行環境 WSL2 / Ubuntu 24.04.3 LTS
GPU NVIDIA GeForce RTX 5070 Ti
GPUメモリ 16GB
メモリ 物理RAM 128GB(環境確認時、WSL2上では94 GiBを認識)

この表は今回実際に使用した環境を示すもので、ACE-Stepの必要条件や推奨構成を示すものではありません。

GPUメモリ使用量:
30秒のBGMを5回生成した際、各回の最大GPUメモリ使用量は10,858~11,036 MiBでした。
今回使用したモデルと設定での実測値であり、ACE-Stepの必要VRAMを示すものではありません。

「30秒のファイル」と「30秒使えるBGM」は別

生成を実行すると、30秒のファイルが出力されました。ただ、そのファイルが動画で30秒分使えるBGMなのかは、ファイル上の長さだけでは分かりません。

生成後のBGMを見るときは、少なくとも次の3つを分けて考えると整理しやすくなります。

  1. ファイル上の長さ
  2. 実際に音として有効な長さ
  3. 音楽として自然に終わっているか

ファイル上の長さが30秒でも、その30秒すべてをBGMとして使えるとは限りません。末尾で音量が下がる場合もあるため、実際にどこまで使えるかは、ファイル上の長さだけでは判断できません。

また、末尾で音量が小さくなっていても、それが意図したフェードアウトなのか、そうでない終わり方なのかで意味が変わります。

BGMファイルを確認するときの3つの視点。ファイル上の長さは今回確認し、実際に音として有効な長さと音楽として自然に終わっているかは直接評価していない。
図:BGMを見るときの3つの視点。今回はファイル上の長さに加えて末尾の音量変化を数値で測りましたが、「実際に音として有効な長さ」と「音楽として自然に終わっているか」自体は直接評価していません。

BGMの末尾を数値で見る

この3つのうち、数値で見たのはファイル上の長さと末尾の音量変化です。

まず、生成済みのFLACファイル(音質を保った圧縮形式)をデコードし、想定どおりのサンプル数とフレーム数になっているかを見ました。これで、ファイル上の長さが指定どおりかが数値で分かります。

次に、末尾の音量変化を測りました。曲の中盤を基準の音量とし、終盤を100ミリ秒ごとの短い区間に分けて、そこからどれだけ下がったかを計算します。すべての出力を同じ条件で比べるため、比較条件は事前に固定しました。

これにより、末尾の音量が緩やかに下がっているのか、短い区間で大きく変化しているのかを、数値で追えます。

ただし、意図的にフェードアウトを付けた条件は、フェードアウトを付けていない条件と分けて扱いました。音量が下がったという理由だけで、問題があるとは判断しないためです。

数値から分かったのは、次の点です。

  • 出力ファイルが、ファイル上は指定どおりの長さであること
  • 末尾の音量変化を、同じ条件で比べられること
  • 意図的なフェードアウトとそれ以外を、区別して扱えること

数値だけでは分からないこと

数値だけでは判断できない点もあります。

実際に音として有効な長さ

ファイル上の長さは確認しましたが、それが実際に音として使える長さと同じかまでは評価していません。

音楽として自然に終わっているか

末尾の音量変化は数値で見ましたが、その終わり方が音楽として自然かどうかは評価していません。

主観的な音楽品質

聴いた感じの良し悪しや、動画の内容との相性は、人が実際に聴いて判断する項目です。

業務・商用利用への適合性

数値上の確認結果だけで、業務・商用利用への適合性まで判断することはできません。今回はその評価を行っていません。

ACE-Step 1.5の公式GitHubリポジトリMIT Licenseで公開されています。ただし、プロジェクトのライセンスと、生成物を自社の用途で使ってよいかの判断は、切り分けて考える必要があります。

成果物へ使う前の判断ポイント

生成したBGMを成果物へ使う際は、次の3点を分けて見ておくと判断しやすくなります。

  1. ファイルの長さと末尾の音量を数値で見る:機械的に測れる範囲です。
  2. 自然な終わり方や動画との相性を試聴する:数値だけでは分からない部分を、人が実際に聴いて判断します。
  3. 商用利用など用途ごとの条件を確かめる:利用方法によって確認すべき条件は変わります。

まとめ

ACE-Stepで30秒程度のBGMを生成し、ファイル上の長さと末尾の音量変化を数値で測りました。意図的なフェードアウトとそれ以外も、分けて扱っています。

実際の利用では、数値による確認に加え、人による試聴や用途ごとの条件も合わせて見ておくと、成果物として使えるかを判断しやすくなります。

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